園の理念

 




昔、ある保育園を訪ねたとき、大人同士の声や子どもに指示する声などがほとんど聞こえませんでした。そして子ども達はいきいきと活動していました。
どうしてここにいる子ども達は、見学に来たわたしたちに「ねぇ、どこからきたの?」「何してるの?」と話しかけてこないのだろう。自分の園の子ども達なら、活動中であっても、お客さんを見かけるとすぐに話しかけてきたり、抱きついてきたりしそうなのになぁ、と不思議に思いました。

その後、子ども達にとって、お客さんなんかより自分たちの遊びの方がずっと興味深く面白くて夢中だったので、わたしたちに話しかけたり、抱きついてきたりしなかった、ということが分かって、その集中力、さらにはそれだけ集中できる環境が用意されていることに驚きました。
私たちは、あのキラキラ輝く子ども達の姿に感銘を受け、今までの保育を見直す決心を固めました。


 

以前のしらゆきこども園では、「先生○○してもいい?」「先生○○ちゃんが○○してる!」など、何に対しても大人を介して行動することが多く、子どもが自ら考えるチャンスも先んじて大人が答えを用意してしまうことが多かったと思います。

今のしらゆきこども園では、例えばランチルームでの出来事……。
4歳のAちゃんとBちゃんが、どの席に座るのか、誰と座るのかでケンカをしている時のこと。保育者はすぐに二人の仲介に入るのではなく、様子を見守ります。そこへ5歳のCちゃんがやってきて、「どうしたの?」と二人へ声をかける。ランチルームはとても賑やかなので、Cちゃんは少し静かな階段の踊り場へ二人を連れていきました。そこで三人がどんな話をしたのか分かりませんが、AちゃんBちゃんいずれも笑顔でランチルームに戻り席につきました。

今では、このように子ども同士の関わりを大切にする場面が日常になり、子ども達はいきいきと活動しています。そして私たちはそんな子ども達の姿に感動をもらい幸せな気持ちになります。
わたしたち保育者は、子どもの中に入り込んで保育するのではなく、子ども達が自ら問題を解決する力を信じて見守ること、そしてどうすればその力をもっと引き出せるのか、その仕掛を考えることが保育者の仕事だと思っています。

 

 


単に学年やクラスをまたいでグループを作って活動する、ということではなく、「学び合い」「育ち合う」ために、生年月日などにこだわらず、それぞれの発達に注目し、そのときの課題を解決するのに、どのような集団が最も適しているかを考え、グループを構成します。
しらゆきこども園のクラス分けは、0・1歳児、2歳児、3・4・5歳児の3つの部屋に分かれています。
0・1歳児では、発達の連続性を踏まえ、より発達が近い子どもを一緒にして保育します。
2歳児だけは、年齢別のクラスを設置しています。それは、発達のスピードに個人差が大きいのが2歳までということを踏まえ、2歳という区切りで発達をしっかり把握し、全体の様子を見るためです。また、集団という意識が生まれるこの時期に、あまり大きな集団で活動をせず、次の大きな集団への準備をするためです。
3・4・5歳児は、課題ごとに「子ども集団」をつくって保育します。子ども達は、あそびや活動によって、自発的に集団をつくります。

 


「遊ぶ」「食べる」「寝る」の空間をそれぞれ確保することにより、子ども達が行う活動を一斉に始めたり、止めさせたりすることなく、納得がいくまで、切りのいいところまでなど、それぞれの活動を保証することができます。
また、「遊ぶ」空間の中に、子ども達のその時の興味関心に応じた「ゾーン」を設けることで、子どもは自ら遊びを選択し、満足するまで集中して遊び、興味を深め活動の幅を広げていきます。また、子ども同士の関わりを深める環境を意識して整えることで、子ども集団の中において、それぞれがお互いを尊重する心を培い、いきいきと活動しています。

乳児の部屋では、体を動かしてあそぶゾーンと静かにあそぶゾーンを設けたり、幼児の部屋では、常設のゾーンだけでなく、季節や時期、子どもの活動に合わせて新たなゾーンを設け、広さも調整します。読書ゾーン、ごっこ(ままごと)ゾーン、表現ゾーン、制作ゾーン、関わるゾーン、ブロック(積木)ゾーン、科学ゾーン、いやしのゾーン、などがあります。

 

子どもが食事に対して自然と興味をもてるよう、玄関ホールや3・4・5歳児保育室から厨房の様子がのぞけるようになっています。また各クラスには、食べる空間=ランチルームを設けています。
食事の準備や配膳、後片付けに関しても子どもが積極的に関わることができるよう、楽しく参加できるような環境を目指しています。何をどれくらい食べるのか、誰とどの席で食べるのか、など子ども自身で意思決定できるような環境を設けています。

日々の食事の時間には、栄養士も子ども達と一緒に食事をとり、よりよい食事の提供を心がけています。また、献立の素材や食事のマナーなど、様々な食育も行っています。

鹿児島の豊かな食材を利用した地産地消を心がけ、子ども達が園内において食材を育てる体験も大切にしています。

 

しらゆきこども園では、0・1歳児、2歳児、3・4・5歳児、お食事、職員室、とそれぞれ職員はチームを組んで保育にあたっています。各クラスでは、日ごとに保育者がそれぞれ、活動を進めるリーダー、その補助、食事、フリー、など役割を分担しています。このことにより、例えば食事の場面において、食べるのが早い子・遅い子それぞれのペースに合わせた対応ができます。また、リーダーを様々な保育者が行うことで、各自得意な分野や個性を活かした保育が行われています。子ども達にとっては、決まった保育者からの決まった保育ではなく、複数の保育者からの様々な体験が可能になります。
しらゆきこども園の職員一人ひとりが、それぞれの個性を活かし、保育を楽しみ、協力し合うことが手本になって、子ども達が、それぞれの個性を活かし、園生活を楽しみ、子ども同士で協力し合えるようになることを目指しています。

 

子どもにとって、保護者と保育者の役割は同じではありません。けれど、お互いが協力し合いそれぞれの役割を担うことで、子どもにとってよりよい環境は生まれます。
保護者の方々が安心してお子さんを預けられるよう、日々の子育てをより楽しめるよう、大人同士のコミュニケーションも大切にしたいと考えています。

しらゆきこども園では、主に0・1・2歳児の保護者を対象に、園での生活を体験していただく「一日保育士」、3・4・5歳児の保護者を対象に「保育参観」を行っています。また、全保護者の方との「個人面談」などを通して、お子さんについて語り合う機会を設けています。そして、保護者同士のつながり、親しみを感じていただけたら、との思いから様々な親子行事やクラス単位での「レクレーション」や「コミュニケーション会」なども開催しています。

  
しらゆきこども園のこだわり