きらきら組のAちゃんが一人で泣いていました。
話を聞いてみると、「仲間だったのに、仲間はずれにされた」と言うのです。
私は“仲間はずれ”という言葉がひっかかり、Aちゃんに対して
「きっとお友だちは仲間に入れたくない理由があったんじゃないかな?
どうして仲間に入れてもらえないか聞いてみた?」
と声をかけました。Aちゃんは、
「聞いてない。」
と言うので、一緒に理由を聞きにいきました。
Aちゃん 「どうして仲間に入れてくれなかったの?」
お友だち 「だってズルしたじゃん。だから入れたくなかったの。」
私 「Aちゃん、お友だちはAちゃんがズルしたのが嫌だったんだって。
ズルしたっていうのはAちゃんも分かってる?」
Aちゃん 「うん。」
私 「お友だちが仲間に入れたくないのは、Aちゃんが嫌いとかじゃなくて、
ちゃんと理由があるよ。だから、Aちゃんもちゃんと理由を聞いてみようね。
お友だちも『もう仲間に入れない!』じゃなくて、どうして仲間に入れたくないか
伝えないと、Aちゃんは理由が分からないから、ただ悲しくなっちゃうよ。
お話をちゃんとしようね。」
と、話をすることの大切さ、相手の気持ちを考えること、に気付いてほしくて話をしました。
すると、お友だちの中のBちゃんが、
「先生が何を言っているのか分からない。」
と言いました。詳しく話を聞いていくとBちゃんは、
「もしお友だちに『仲間に入れない』と言われたら、いやな気持ちにはならないし、
ほかの子と遊ぶからいいの。」
と言うのです。そう言うBちゃんの表情は、
Aちゃんの気持ちなんて分からなくていい!
と、Aちゃんの気持ちを理解しようともしていないような表情で、
話をしていて私自身が悲しい気持ちになり、つい涙が出てしまいました。
Bちゃんは、はっとした表情を浮かべて私を見ています。私は、
「お友だちの気持ちが分からないなんて当たり前だけど、今のBちゃんは
Aちゃんの気持ちを分かってあげようとしていたかな?」
と尋ねました。
Bちゃんは泣きながら首を横に振りました。
「Bちゃん。先生たちはこうしてお友だちがケンカをしたときにお友だちの気持ちを
伝えたり、仲直りする方法を教えてあげるためにいるんだよ。Aちゃんの気持ちが
分からないからいいじゃなくて、分かってあげようとする気持ちが大切だと思うから
Bちゃんもお友だちの気持ちを分かってあげようって思って話を聞いてみてね。」
と話をしました。
生まれてきてまだ5~6年。
お友だちの気持ちが分からないことは当たり前ですが、だからこそ、
考えることが大事だと思います。
何のために私たち保育者がいるのか、私は何を伝えるために働いているのか、
考えさせられた出来事でした。
日々の中で起こる子どもたちのトラブルは、相手の気持ちを考えるいい機会だと思います。
その後の話し合いの時間や、お友だちの気持ちを考えることを大切にしていきたいです。
「 バイク貸して」 「お洋服ひっぱって~」 「ぼたんできないの?やってあげようか?」
太陽グループ 西村